賃貸の初期費用の見積もりを見ていたら、「鍵交換費用 22,000円」という項目が入っていた。
「鍵って、交換しないといけないの?」「これ、借りる側が払うものなの?」と、手が止まった方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、国のガイドラインでは「貸主(大家さん)が負担するのが妥当」とされている一方、実際の契約では借主が払うことになっているケースが多い費用です。
この記事では、宅建士の私が、鍵交換費用の考え方・金額の目安と、初期費用の見積もりで確認したい4つのことをやさしく整理します。
鍵交換費用とは?前の入居者が使っていた鍵を新しくする費用
賃貸の部屋は、前に住んでいた人が鍵を返して退去しています。それでも、合鍵が作られていた可能性はゼロではありません。
そこで、新しい入居者が住む前に、玄関の鍵(シリンダーという鍵穴の部品)を新しいものに交換します。この工事の費用が「鍵交換費用」です。
- 初期費用の見積もりに「鍵交換費用」「シリンダー交換代」などの名前で入っている
- 金額の目安は1万〜3万円前後。鍵の種類によって変わる(くわしくは後で)
- 入居のタイミングで1回だけ払うもの

国のガイドラインでは「貸主の負担が妥当」
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、鍵の取り替えについて次のような考え方が示されています。
- 鍵をなくしたり壊したりしていない場合の取り替えは、入居者が入れ替わることによる物件管理上の問題なので、貸主の負担とするのが妥当
- 入居者が鍵をなくした・壊したことによる交換は、借主の負担
つまり、「次の人のために鍵を新しくする」こと自体は、本来は大家さん側の話だ、という考え方です。
ただし、このガイドラインはトラブルを防ぐための目安で、法律のような強制力はありません。ここが次の話につながります。

でも実際は「借主負担」の契約が多い
実際の賃貸契約では、契約書に「鍵交換費用は借主の負担とする」という特約(とくやく)が入っていることがよくあります。
特約は、貸主と借主が合意して決める「その契約だけの約束」です。内容が契約書にはっきり書かれていて、説明を受けたうえで合意していれば、借主負担の特約も有効と考えられています。神奈川県のホームページでも、鍵の交換費用などを借主負担とする特約は有効になるので、契約書の内容を確認するよう呼びかけています。
だからこそ大事なのは、契約書にサインする前、できれば申し込みの前に、鍵交換費用の扱いを確認しておくことです。

初期費用の見積もりで確認したい4つのこと
① 契約書・重要事項説明に「借主負担」と書いてあるか
見積もりに鍵交換費用が入っていたら、契約書(または契約書の案)の特約欄に借主負担と書かれているかを見ます。
契約の前には、宅建士から重要事項説明を受けます。そこで「鍵交換費用は借主負担の特約ですか?」と質問してかまいません。分からないまま署名しないことが一番の予防です。
② 金額と鍵の種類は見合っているか
鍵交換費用は、交換する鍵の種類で変わります。
| 鍵の種類 | 金額の目安(工事費込み) |
|---|---|
| ふつうの鍵(ギザギザの鍵など) | 1万円台〜 |
| 防犯性の高い鍵(ディンプルキーなど) | 2万円以上になることも |
※金額は業者・地域・ドアの形で変わる目安です。
見積もりの金額が高いと感じたら、「どんな種類の鍵に交換するんですか?」と聞いてみましょう。防犯性の高い鍵なら、その分安心も買っていると考えられます。
③ 申し込みの前に「外せますか?」と聞いてみる
鍵交換費用は、敷金や礼金と同じく、条件として話し合いの余地がある項目です。
いちばん聞きやすいのは申し込みの前。「鍵交換費用は外せますか?」「大家さん負担にできませんか?」と、仲介の不動産会社にていねいに聞いてみましょう。申し込みや契約が済んだ後だと、条件を変えるのは難しくなります。
ただし、防犯のために交換すること自体はおすすめです。「交換しなくていいので費用を外して」より、「費用の負担を相談できますか」と聞くほうが、自分の安全を守れます。
部屋探しの段階から相談できる不動産会社を選んでおくと、こうした質問もしやすくなります。全国に店舗があるので、まずは条件を伝えて相談してみるのもひとつです。住む場所決まった?新生活のお部屋探しはアパマンショップで
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④ なくしたとき・退去するときのルール
入居中に鍵をなくした場合、交換費用は借主の負担になるのが基本です。防犯のため、なくしたらすぐ管理会社に連絡しましょう。
また、退去のときは受け取った鍵をすべて返すのがルールです。自分で合鍵を作っていた場合は、その合鍵も一緒に返します。本数が足りないと、交換費用を請求されることがあります。入居したときに受け取った鍵の本数をメモしておくと安心です。
退去時のトラブルを防ぐポイントは「賃貸の退去立ち会い、サインする前のチェック表」、初期費用全体の見直し方は「賃貸の初期費用は家賃の何ヶ月分?」、契約前の説明で聞くことは「契約前の「重要事項説明」で必ず確認したい3つのこと」にまとめています。
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まとめ|鍵交換費用は「申し込みの前」に確認しよう
- 鍵交換費用は、前の入居者の鍵を新しくする費用。目安は1万〜3万円前後
- 国のガイドラインでは、入居者の入れ替わりによる交換は貸主の負担が妥当
- ただし契約書の特約で借主負担になっていることが多い。サインの前に確認する
- 金額が高いと感じたら鍵の種類を聞く
- 負担の相談は申し込みの前がいちばん聞きやすい
- なくした鍵は借主負担。退去時は合鍵も含めて全部返す
「よく分からない項目は、払う前に聞く」。これだけで、初期費用のモヤモヤはぐっと減ります。見積もりが届いたら、ぜひこの記事を見ながら1行ずつ確認してみてください。
出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」、神奈川県「賃貸住宅のトラブル防止」(2026年11月時点)
