宅建試験まで、あと6日。
過去問を解いていて、「30日以内だっけ?遅滞なくだっけ?」「これは免許換え?登録の移転?」と手が止まることはありませんか。
私もそうでした。宅建試験に4回落ちて5回目で合格するまで、宅建業者の「免許」と宅建士の「登録」は、似た言葉が並ぶせいで毎年どこかで取り違える分野でした。
免許と登録は、宅建業法の前半で毎年のように問われる基本中の基本です。そして、見分ける軸さえ決めてしまえば、直前1週間でも確実に点に変わる分野でもあります。
今日は、宅建業法の条文を確かめたうえで、本番で迷わないための3つの見分け方を紹介します。
免許と登録が混ざるのは、「誰の話か」を決めずに読んでいるから
免許と登録が混ざる原因は、記憶力ではありません。多くの場合、問題文を読むときに「これは会社の話か、人の話か」を最初に決めていないことが原因です。
テキストでは、免許の章と宅建士の章が別々に書かれています。ところが本番の問題は、「変更」「死亡」「移転」といった同じ言葉を使って、会社の話と人の話を並べて聞いてきます。
4回目までの私も、「変更は30日以内」とだけ覚えていました。だから宅建士の住所が変わった問題で、迷わず30日を選んで間違えました。数字は覚えていたのに、誰のルールかがつながっていなかったのです。

本番で迷わない3つの見分け方
見分け方①|「免許=会社」「登録=人」と主語で分ける
5回目の年は、まず主語を固定しました。条文で確かめた違いは次のとおりです。
- 免許:宅建業を営もうとする者(会社や個人事業主)が受ける。事務所が1つの都道府県だけなら知事、2つ以上の都道府県にあれば国土交通大臣(3条1項)。有効期間は5年(3条2項)
- 登録:試験に合格し、実務経験などの要件を満たした人が、試験を行った都道府県知事から受ける(18条1項)
- 宅建士証:登録を受けた人が交付を申請する。有効期間は5年(22条の2第3項)
ここで大事なのは、「5年」があるのは免許と宅建士証で、登録そのものに有効期間の定めはないという点です。問題文に「登録の有効期間」と出てきたら、それだけで疑ってかかれます。
見分け方②|期限は「会社は30日以内」「人は遅滞なく」で分ける
次に、何かが変わったときの期限です。
- 会社の「変更の届出」:商号、役員の氏名、事務所の名称・所在地、専任の宅建士の氏名などが変わったら、30日以内に届け出る(9条・4条1項)
- 人の「変更の登録」:氏名、住所、本籍、勤めている宅建業者の名前など、登録されている事項が変わったら、遅滞なく申請する(20条・施行規則14条の2の2)
- 例外は「いなくなったとき」:業者の死亡・廃業など(11条)も、宅建士の死亡など(21条)も、30日以内。死亡は相続人が知った日から数える
よく出るのが、専任の宅建士の「住所」が変わったケースです。会社の届出の対象は専任の宅建士の「氏名」だけなので、会社は届け出なくてかまいません。一方、宅建士本人は住所が登録事項なので、変更の登録が必要です。
ひとりで条文を追うのが大変なときは、直前期だけでもプロの講義で整理してもらうのも手です。
見分け方③|引っ越しは「免許換えは必須」「登録の移転は任意」で分ける
最後は、ひっかけがいちばん集まる「引っ越し」です。
- 免許換え:知事免許の業者が他の都道府県に事務所を移す、2つ以上の都道府県に事務所を持つ、などの場合、業務を続けるには新しい免許を受ける必要があり、受けると古い免許は効力を失う(7条1項)
- 登録の移転:登録している都道府県以外の宅建業者の事務所で働く(働こうとする)ときに、申請することができる(19条の2)。つまり任意
登録の移転には、もう2つ落とし穴があります。1つは、住所が他県に変わっただけでは、登録の移転はできないこと。条文の条件は「他県の事務所で働く(働こうとする)とき」です。もう1つは、事務禁止の処分を受けていて、その期間が終わっていないときは申請できないことです(19条の2ただし書)。
なお、登録の移転があると、それまでの宅建士証は効力を失います。移転と一緒に申請すれば、前の宅建士証の残りの期間を有効期間とする宅建士証が交付されます(22条の2第4項・第5項)。

今日からできる3つのこと
- A4の紙を横にして、左に「会社(免許)」、右に「人(登録)」の欄を作る
- 「有効期間」「変わったとき」「いなくなったとき」「引っ越し」の4段を書き込む
- 過去問を解くときは、問題文の主語に〇をつけてから選択肢を読む
試験の前日には、この1枚だけを見返せば済むようになります。
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まとめ
- 免許と登録が混ざるのは、「会社の話か、人の話か」を決めずに読んでいるから
- 見分け方①=免許は会社、登録は人。5年があるのは免許と宅建士証だけ
- 見分け方②=会社の変更は30日以内、人の変更は遅滞なく。いなくなったときは両方30日以内
- 見分け方③=免許換えは必須、登録の移転は任意。住所が変わっただけでは移転できない
- 令和8年度の宅建試験は2026年10月18日(日)13時〜15時
鳶の現場でも、会社が取る許可と、職人一人ひとりが持つ資格は別物です。どちらの話なのかを取り違えると、書類は必ず差し戻されます。宅建業法も同じで、最初に「会社か、人か」を決めるだけで、似た言葉の問題が一気に解きやすくなります。
あと6日。今日、紙を1枚だけ用意してみてください。
出典:e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」3条・4条・7条・9条・11条・18条・19条の2・20条・21条・22条の2、「宅地建物取引業法施行規則」14条の2の2(2026年10月時点)/一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験」試験概要
