中古住宅を買った後に雨漏りが…|宅建士が教える「契約不適合責任」で泣き寝入りしない3つのポイント

不動産経営
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「念願の中古住宅を買ったのに、住み始めてすぐ雨漏りが見つかった」「引き渡し後にシロアリの被害が発覚した」——。マイホームは人生で一番大きな買い物です。それだけに、あとから欠陥が見つかったときのショックは計り知れません。

でも、ここで「もう買ってしまったから泣き寝入りするしかない」とあきらめるのは早いです。民法には、買主を守るための「契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)」という仕組みがあります。

宅建士・FP2級の私が、買った家に欠陥が見つかったときに損をしないための3つのポイントを、やさしく解説します。宅建試験でも権利関係で頻出のテーマなので、受験生の方の勉強にもなりますよ。

そもそも「契約不適合責任」って何?

契約不適合責任とは、かんたんに言うと「引き渡された物が契約の内容に合っていなかったとき、売主が負う責任」のことです(民法562条〜564条)。

2020年の民法改正までは「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と呼ばれていましたが、改正でこの契約不適合責任に変わりました。名前が変わっただけでなく、買主が請求できる中身も整理され、以前より買主が守られやすくなっています。

ポイントは、「契約書に書いてある内容」と「実際の物件」がズレていれば対象になる、ということ。たとえば「雨漏りなし」として売られた家が雨漏りしていた、土地の面積が契約より狭かった、といったケースが典型です。ただし、契約書や重要事項説明で「この不具合があります」と説明済みの欠陥は対象になりません。だからこそ、契約前の重要事項説明をしっかり聞くことが大前提になります。

ポイント① 欠陥に気づいたら「1年以内に通知」する

まず一番大事なのが期限です。種類・品質の契約不適合(雨漏り・シロアリ・設備の不具合など)は、その不適合を「知った時」から1年以内に、売主へ「その旨」を通知しなければなりません(民法566条)。

ここで勘違いしやすいのが、「1年」の起算点です。引き渡しから1年ではなく、買主が欠陥に気づいてから1年です。住み始めて半年後に雨漏りに気づいたなら、そこから1年以内に売主へ知らせればOK。この期限を過ぎると、原則として請求ができなくなってしまいます。

通知といっても、その時点で損害額まで細かく伝える必要はありません。「雨漏りという不適合があった」という事実を売主に知らせれば足ります。ただし「言った・言わない」のトラブルを避けるため、メールや内容証明郵便など、日付と内容が残る形で通知するのがおすすめです。

なお、売主がその欠陥をわざと隠していた(悪意)ような場合は、この1年の制限は適用されず、通常の時効(引き渡しから10年など)まで請求できます。

ポイント② 請求できるのは4つ。「直して」も「お金返して」も言える

契約不適合が認められた場合、買主は状況に応じて次の4つを請求できます。ひとつだけでなく、組み合わせて使えるのがポイントです。

  1. 追完(ついかん)請求…「ちゃんと直して」と修補を求める(民法562条)。雨漏りを補修してもらう、など。
  2. 代金減額請求…直してもらえない・直せないとき、「その分、代金を安くして」と求める(民法563条)。
  3. 損害賠償請求…欠陥のせいで生じた損害(引っ越し費用や仮住まい費用など)を賠償してもらう(民法564条・415条)。
  4. 契約の解除…欠陥があまりに重大で、住む目的が果たせないときは契約そのものを解除して代金を返してもらう(民法564条・541条・542条)。

実務では、まず「①追完(修理)してください」と求め、応じてもらえないときに「②代金を減らして」「③損害も払って」と進むのが基本的な流れです。いきなり④解除ができるのは、欠陥が軽微とは言えず、契約の目的を達成できないような重いケースに限られます。

もし自分で修繕する道を選ぶなら、まずは相場を知ることが大切です。雨漏りや外壁の補修は、業者によって見積もりが大きく変わります。私自身、建築の現場を見てきた経験からも、1社だけの見積もりで即決せず、複数社を比較することを強くおすすめします。無料で使える一括見積もりサービスを、相場の目安を知る第一歩として活用してみてください。

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ポイント③ 契約書の「特約」を必ず読む。相手が業者か個人かで大違い

最後に、見落としがちで一番大事なのが契約書の「特約」です。契約不適合責任は、当事者の合意(特約)で変えることができるからです。

ここで、売主が「宅建業者(不動産会社)」なのか「個人」なのかで、ルールが大きく変わります。

売主が宅建業者の場合——宅建業法40条で買主が手厚く守られています。「契約不適合を通知できる期間を、引き渡しから2年以上とする」特約以外に、民法より買主に不利な特約は原則として無効になります。つまり業者から買う場合は、最低でも引き渡しから2年間は守られる、と覚えておきましょう。

売主が個人の場合——ここが要注意です。個人間の売買(仲介会社が間に入っていても、売主自身が個人のケース)では、「契約不適合責任を一切負わない(免責)」「責任期間は引き渡しから3か月まで」といった特約が付いていることがよくあります。築古の中古住宅では、売主が個人でこうした免責特約が入っているケースが少なくありません。

この特約自体は違法ではありません。だからこそ、契約書にサインする前に「契約不適合責任の条項がどうなっているか」を必ず自分の目で確認することが、あとで泣き寝入りしないための最大の防御になります。分からない条文があれば、その場で仲介の宅建士に質問しましょう。

なお、契約不適合責任は宅建試験の権利関係(民法)でも毎年のように問われる重要テーマです。仕組みをしっかり理解しておきたい方は、図解の多いテキストで体系的に学ぶのが近道です。楽天ブックスで宅建テキストを探す

まとめ:買ったあとでもあきらめない

買った家に欠陥が見つかっても、正しい知識があれば守られます。今日の3つのポイントを振り返りましょう。

  • 欠陥に気づいたら「知った時から1年以内」に、記録が残る形で通知する(民法566条)
  • 請求できるのは追完・代金減額・損害賠償・解除の4つ。まず「直して」から
  • 契約書の特約を必ず確認。業者売主なら引き渡しから2年以上守られる(宅建業法40条)/個人売主は免責特約に注意

いちばんの予防は、契約前の重要事項説明をしっかり聞き、契約書の特約に目を通すこと。「知らなかった」で損をしないよう、今日の内容を頭の片隅に置いておいてください。

「自分が検討している中古住宅は大丈夫かな」「契約書のこの条文の意味が分からない」という方は、宅建士・FP2級の私が ココナラの【住宅ローン本音相談】 で、住宅購入まわりのご相談に乗っています。気になる方はぜひ。

※本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的判断を保証するものではありません。実際のトラブル対応は契約書の内容により異なります。※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。

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