引越しの準備でつい後回しになりがちなのが、電気・ガス・水道の切り替え手続きです。「入居初日にお湯が出ない」「前の家の電気代を二重に払っていた」——こうしたトラブルは、手続きのタイミングを知らないだけで起こります。
宅建士として賃貸のご相談を受けていると、「ライフラインは不動産屋さんがやってくれると思っていた」という方が本当に多いです。じつは電気・ガス・水道の手続きは、原則として自分で行うもの。この記事では、宅建士の目線で「いつ・どこに・どう連絡すればいいか」を3ステップで整理します。
そもそも、電気・ガス・水道は誰が手続きするの?
結論から言うと、ライフラインの契約は入居者本人が手続きします。不動産会社が代行してくれるのは物件の契約までで、電気・ガス・水道は各事業者と入居者との契約だからです。
ポイントは、旧居の「使用停止」と新居の「使用開始」を、それぞれ別々に手配する必要があること。とくに引越しの1週間前までには連絡を済ませておくと安心です。直前だと希望日に予約が取れないこともあります。
ステップ① 旧居は「解約予告」と「使用停止」をセットで
まず旧居側です。ここで見落としやすいのが、賃貸借契約の「解約予告」とライフラインの「使用停止」は別の手続きだということ。
賃貸の解約は、契約書に定められた解約予告期間(一般的には退去の1か月前)までに、貸主または管理会社へ解約通知を出すのがルールです。ここが遅れると、退去後の分まで家賃が発生してしまいます。
そのうえで、電気・ガス・水道の各社に「◯月◯日で使用停止」と連絡します。多くはWebや電話で完結し、立ち会いは不要なことがほとんど。最後の料金は日割りで精算され、口座振替やクレジット払いならそのまま引き落とされます。
私自身、以前の引越しで水道の停止連絡を忘れ、誰も住んでいない部屋の基本料金を1か月分払った経験があります。「解約=自動で止まる」ではないと覚えておいてください。
ステップ② 新居は「電気・ガス・水道」で手続きが違う
新居側は、3つで手続きの性質が違います。ここを押さえると失敗しません。
■ 電気:会社を自由に選べる(開始は立ち会い不要)
2016年4月の電力小売の全面自由化で、いまは電力会社を自分で選べます。地域の大手だけでなく、料金プランの安い新電力を選ぶこともできます。使用開始は原則ブレーカーを上げるだけで、立ち会いは不要です。
■ ガス:開栓は「立ち会い必須」
ガスは安全確認のため、開栓に必ず立ち会いが必要です(30分〜1時間ほど)。引越し当日に予約が集中すると希望時間が埋まりやすいので、早めの予約が鉄則。ガスも2017年4月に都市ガスが自由化され、会社を選べるようになっています。
■ 水道:管轄の水道局(自治体)へ
水道は自治体の水道局が管轄です。引越し先の水道局へWebか電話で連絡すれば、原則立ち会い不要で使えるようになります。
引越しは、電気とガスの契約先を見直す絶好のタイミングです。今の家では変えづらくても、引越しなら「どうせ新規契約」。せっかくなら数分の比較で毎月の固定費を下げておきたいところです。
私自身、引越しのたびに電気・ガスを比較して切り替えています。切り替えは無料で、5分ほどで見比べられるので、今日の一歩として試す価値があります。
ステップ③ 火災保険(家財保険)も忘れず切り替える
3つ目は見落とされがちですが大切な話。賃貸では火災保険(家財保険)の加入を求められることがほとんどです。これは自分の家財を守るだけでなく、火災や水漏れで大家さんに損害を与えたときの「借家人賠償責任」をカバーするためのものです。
引越しでは、この火災保険も新居用に入り直す(または住所変更する)必要があります。旧居分をそのまま放置すると、退去後の分の保険料がムダになります。中途解約すれば、残りの期間に応じた保険料が戻ってくることが多いので、忘れずに手続きしましょう。
不動産会社ですすめられる保険にそのまま入るケースが多いですが、補償内容と保険料は自分で選ぶこともできます。必要な補償(借家人賠償・個人賠償)が入っているかだけは、必ず確認してください。
まとめ:ライフライン切り替えの3ステップ
引越しの電気・ガス・水道は、次の3ステップで押さえれば失敗しません。
- ステップ① 旧居は「解約予告(契約書の期間・一般に1か月前)」と各社への「使用停止」をセットで
- ステップ② 新居は電気=会社を選べる/ガス=開栓立ち会い必須/水道=自治体へ
- ステップ③ 火災保険(家財保険)も新居用に切り替え、旧居分は解約して返戻金を受け取る
いずれも引越しの1週間前までに動くのがコツ。とくにガスの立ち会い予約と、電気・ガスの料金プラン見直しは、引越しの「今」だからこそやりやすい手続きです。
電気・ガスの切り替えは無料で、比較も5分ほど。引越しのタイミングで固定費を一度見直しておくと、その後ずっと家計がラクになります。
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
お部屋探しそのものをこれから始める方は、こちらもどうぞ。
住む場所決まった?新生活のお部屋探しはアパマンショップで
![]()
