家を買うときの「印紙税」はいくら?|売買契約書で損しない3つのポイント|宅建士が解説

不動産経営
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家を買うと決めて、いよいよ売買契約。不動産会社から渡された持ち物リストに「収入印紙」と書いてあって、「え、印紙って何?いくら?」と手が止まった方もいるのではないでしょうか。

住宅ローン、登記費用、仲介手数料……。家を買うときのお金はたくさんあって、印紙税はつい後回しにされがちです。でも、印紙税は「知っているかどうか」で数万円の差が出る、数少ない諸費用です。

私自身、宅建試験に4回落ちて5回目で合格するまで、印紙税は「税・その他」で出てくる暗記項目の1つにすぎませんでした。けれど実際の取引では、契約の当日に「印紙が足りない」「貼ったけど消印を忘れた」というのは、地味ですが本当に起きることです。

今日は、国税庁の公表資料で確かめたうえで、家の売買契約書の印紙税で損しない3つのポイントを紹介します。

印紙税は「契約書1通ごと」に「書いた金額」でかかる

印紙税は、決められた種類の文書を作ったときにかかる税金です。土地や建物の売買契約書は、印紙税法の「第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)」にあたります。

ポイントは2つだけです。

  • 税額は、契約書に書かれた金額で決まる
  • 契約書を何通作ったか、その通数ごとにかかる

つまり、「いくらの家を買うか」と「契約書を何通作るか」の2つで、印紙代はほぼ決まります。逆に言えば、この2つを押さえておけば、契約前に自分で金額を出せるということです。

一戸建ての模型を前に四国めたんが説明し、ずんだもんが覗き込んでいる

家の売買契約書の印紙税で損しない3つのポイント

ポイント①|令和9年3月31日までは「軽減税率」で半分前後になる

不動産の売買契約書には、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成されたものについて、印紙税の軽減措置があります(租税特別措置法91条)。家の価格帯でよくある金額をまとめると、次のとおりです。

  • 500万円を超え1,000万円以下:本来1万円 → 軽減後5千円
  • 1,000万円を超え5,000万円以下:本来2万円 → 軽減後1万円
  • 5,000万円を超え1億円以下:本来6万円 → 軽減後3万円

たとえば3,000万円の中古住宅なら、契約書1通あたりの印紙は1万円です。なお、注文住宅などの「建設工事の請負契約書」にも、同じ期間の軽減措置があります。

建築の現場でも、工事の請負契約書に印紙を貼るのは当たり前の光景です。「売買」も「工事」も、契約書の金額で印紙が決まるという仕組みは同じです。

住み替えで今の家を売りながら新しい家を探す方は、売却と購入の両方を相談できる大手に話を聞いてみるのも一つの方法です。

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ポイント②|売主用と買主用で2通作れば、印紙も2通分

売買契約書は、売主と買主が1通ずつ持つのが一般的です。この場合、2通とも契約の成立を証明する文書なので、2通それぞれに印紙が必要です。3,000万円の家なら1万円×2通=2万円になります。印紙代は、それぞれが自分の持つ1通分を負担する取り決めが一般的です。

一方、国税庁は、契約書の原本をコピー機でコピーしただけのもの(署名や押印、原本と相違ない旨の証明がないもの)は課税対象にならないとしています。そのため実務では、原本を1通だけ作って買主が持ち、売主はコピーを保管する、という方法がとられることもあります。

ただし、コピーに改めて署名や押印をすると、そのコピーも課税対象になります。「念のため両方にハンコを」はかえって印紙を増やすので注意しましょう。

ポイント③|貼り忘れは3倍、消印忘れも罰がある

印紙を貼らなかった場合は、本来の印紙税とその2倍、合わせて3倍の「過怠税」がかかります(印紙税法20条)。自分から税務署に申し出た場合は1.1倍に軽くなりますが、いずれにしても余計な出費です。

また、印紙を貼っても「消印」を忘れると、その印紙の額面と同じ額の過怠税がかかります。消印は、印紙と契約書にまたがるように、印鑑か署名で行います。過怠税は経費(必要経費・損金)にもなりません。

ずんだもんが困った顔をし、四国めたんが心配そうに寄り添っている

知っておくと得する2つのこと

  • 電子契約なら印紙はいらない:印紙税は紙の文書にかかる税金です。国税庁も、契約書をPDFなどのデータにしてメールで送っただけのものは課税対象にならないとしています。電子契約に対応している会社なら、印紙代そのものがかかりません。
  • 消費税は分けて書く:業者から建物を買う場合などで、契約書に「うち消費税額◯円」と区分して書かれていれば、印紙税は消費税を除いた金額で判定されます。「税込」とだけ書くと、税込の金額で判定されます。
ずんだもんがノートにメモを取り、四国めたんが見守っている

今日からできる3つのこと

  1. 買う予定の家の価格を、軽減後の表に当てはめて1通あたりの印紙代を出す
  2. 不動産会社に「契約書は何通作りますか?電子契約はできますか?」と聞く
  3. 契約当日は、印紙を貼ったあと消印まで済んでいるかを自分の目で確認する



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まとめ

  • 家の売買契約書の印紙税は、契約書に書いた金額と作った通数で決まる
  • ポイント①=令和9年3月31日まで軽減中(3,000万円の家なら1通1万円)
  • ポイント②=2通作れば2通分。署名・押印のないコピーは課税されない
  • ポイント③=貼り忘れは3倍、消印忘れも額面分の過怠税
  • 電子契約なら印紙は不要。消費税は区分して書けば税抜金額で判定

家を買うときの諸費用は、1つひとつは小さくても、積み重なると大きな金額になります。「いくらかかるか」を契約の前に自分で言えること。それが、納得して家を買うための一番の近道です。

「自分の場合、諸費用は全部でいくらになるのか」「この予算で本当に買えるのか」が分からないという方は、宅建士・FP2級の私が ココナラの【住宅ローン本音相談】 で相談に乗っています。気になる方はぜひ。

※本記事は令和8年10月時点の法令にもとづく一般的な解説です。個別の取扱いは、税務署または税理士にご確認ください。

出典:国税庁 タックスアンサー No.7108「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」/No.7140「印紙税額の一覧表(その1)」/No.7120「契約書の写し、副本、謄本等」/No.7124「消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額」/No.7131「印紙税を納めなかったとき」(令和8年4月1日現在法令等)

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