「気に入った部屋がやっと見つかった!」——そう思ってワクワクしていたのに、入居審査で落ちてしまって住めなかった。実は、賃貸の引越しではこういうことが起こります。
物件を選ぶことばかりに気を取られて、「大家さんや保証会社に、何を見られているのか」を知らないまま申し込む人がとても多いのです。
この記事では、宅建士の私が賃貸の入居審査で実際にチェックされるポイントと、審査に通りやすくするための3つのポイントを、専門用語をなるべく使わずにやさしく解説します。
そもそも入居審査って、誰が何を見ているの?
賃貸の入居審査は、ざっくり言うと「この人にちゃんと家賃を払い続けてもらえるか」を確認する手続きです。審査をするのは主に次の3者です。
- 大家さん(貸主)……最終的に「貸すかどうか」を決める人
- 管理会社……大家さんに代わって物件を管理し、申込者の対応をする会社
- 家賃保証会社……もし家賃が払えなくなったとき、代わりに立て替えてくれる会社(今はほとんどの物件で加入が必須)
そして、見られている中身は大きく分けて次のようなものです。
- 収入と家賃のバランス(払える金額か)
- 職業・勤務先・勤続年数(収入が安定しているか)
- 過去の家賃滞納やお金のトラブルの履歴
- 申込書の内容と本人確認の一致、連絡の取りやすさ・対応の印象
「収入が高くないと通らないの?」と不安になる方もいますが、そうとは限りません。大切なのは「その家賃に見合った収入か」というバランスです。ここからは、通りやすくするための3つのポイントを順番に見ていきましょう。
ポイント① 家賃は「手取り月収の3分の1以内」を目安に選ぶ
入居審査でいちばん重視されるのが、家賃の支払い能力です。一般的な目安として、家賃は手取り月収の3分の1以内、年収でいえば家賃の36倍以上の年収があると通りやすいと言われています。
たとえば手取りが月24万円なら、家賃8万円くらいまでが一つの目安。年収でいうと、家賃8万円なら「8万円×36倍=約288万円」が目安ラインになります。
逆に言えば、収入に対して家賃が高すぎる部屋を選ぶと、それだけで審査に落ちやすくなるということ。「少し無理をすれば払えるかな」という物件より、無理なく払える家賃の部屋を選ぶこと自体が、いちばん確実な審査対策になります。
どうしても収入が家賃に届かないときは、収入のある家族に連帯保証人になってもらう、あるいは預貯金の残高を見せて「支払い能力はある」と示す方法もあります。
ポイント② 保証会社には3タイプ。「信販系」はカード・携帯の滞納も見られる
今の賃貸は、ほとんどの物件で家賃保証会社への加入が必須です。この保証会社、実は大きく3つのタイプがあり、どのタイプかによって審査の厳しさが変わります。
- 信販系(クレジットカード会社系)……クレジットカードの履歴(信用情報)まで照会するため、いちばん厳しめ。ただし通れば信用面ではお墨付き。
- 協会系……業界団体で滞納情報を共有。過去にその物件系列で滞納があると影響することも。
- 独立系……信用情報を照会しないことが多く、比較的通りやすい。
ここで大事なのが、クレジットカードや携帯電話(本体の分割払い)の支払いの遅れは、信販系の審査ですぐに分かってしまうという点です。「家賃は一度も滞納していないのに審査に落ちた」という人は、実はカードや携帯の滞納が原因だった、というケースが少なくありません。
ですから、引越しを考え始めたら、まずカード・携帯・各種ローンの未払いを片づけておくのが第一。もし過去に滞納があって心配な場合は、信用情報を見ない「独立系」の保証会社を使える物件を不動産屋さんに相談してみる、という選び方もあります。
「どの保証会社の物件が自分に合うか分からない」という段階から、たくさんの物件を扱う不動産屋さんに相談してみると近道です。私自身も、賃貸探しはまず選択肢の多いところで相談するのがいちばん効率がいいと感じています。
ポイント③ 申込書は正確に、書類はすぐ出せるように準備する
意外と見落とされがちなのが、「申込内容の正確さ」と「対応の印象」です。審査は書類だけでなく、人と人とのやり取りでもあります。
次のような点で、審査がスムーズに進むかどうかが変わります。
- 申込書の勤務先・年収・連絡先は正確に書く(本人確認と食い違うと「何か隠している?」と疑われる)
- 本人確認の電話にはきちんと出る(連絡がつかないだけで保留・お見送りになることも)
- 収入証明(源泉徴収票・給与明細など)、身分証、連帯保証人がいる場合はその書類をすぐ出せるように準備しておく
- 内見や問い合わせのときの受け答え・レスポンスの速さも、実は印象として見られている
大家さんの立場からすると、「連絡がつきやすく、書類がそろっていて、対応が丁寧な人」は安心して貸せる相手です。逆に、連絡がつかない・書類が出てこない・態度が高圧的だと、収入に問題がなくても敬遠されてしまいます。第一印象とレスポンスの速さも、立派な審査対策だと覚えておいてください。
まとめ|「無理のない家賃」と「事前準備」で審査は怖くない
賃貸の入居審査で通りやすくする3つのポイントを、もう一度おさらいします。
- 家賃は手取り月収の3分の1以内を目安に(無理のない家賃選びが最大の対策)
- 保証会社は3タイプ。カード・携帯の滞納は信販系で見られる(申込前に未払いを片づける)
- 申込書は正確に、書類はすぐ出せるように準備し、対応も丁寧に
入居審査は「落とすための試験」ではなく、お互いが安心して契約するための確認作業です。ポイントを押さえて準備すれば、必要以上に怖がることはありません。あなたの新生活が、いい部屋との出会いから始まりますように。
新しいお部屋探しは、選択肢が多いところから始めるのが失敗しないコツです。
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