「宅建業法はなんとかなりそうだけど、権利関係になると急に分からなくなる…」。テキストを開いても専門用語と判例だらけで、ページが進まない。そんな苦手意識を持っている人は、とても多いです。
でも、安心してください。結論から言うと、権利関係は“全部を理解しよう”とするから苦しくなるのです。やるべきところと、思いきって捨てていいところを見分ければ、苦手なままでも合格ラインに十分届きます。
この記事では、宅建士・FP2級として不動産の現場に立つ筆者が、権利関係で空回りしないための3つのコツをお伝えします。読み終えるころには、「権利関係、こう付き合えばいいのか」と肩の力が抜けるはずです。
そもそも、権利関係はなぜこんなに難しいのか
宅建試験は50点満点で、出題は分野ごとに数が決まっています。権利関係は全50問のうち14問を占める、業法に次ぐ大きな分野です。
- 宅建業法…20問(最重要・得点源)
- 権利関係(民法など)…14問
- 法令上の制限…8問
- 税・その他…8問
権利関係の中身をざっくり分けると、民法が約10問、その他の特別法(借地借家法・区分所有法・不動産登記法)が約4問という構成です。
難しく感じる最大の理由は、民法の範囲が広く、判例や細かい例外まで問われること。しかも近年は「事例を読ませて考えさせる」問題が増え、暗記だけでは対応しづらくなっています。だからこそ、民法を完璧にしようとすると、時間がいくらあっても足りません。付き合い方を変えるのが先決です。
①「14問で満点」を最初に捨てる|狙うのは8〜10点
権利関係でいちばん大事なのは、「満点を狙わない」と最初に決めることです。
宅建の合格点は、年度によって31〜38点程度(おおむね7割)。10問前後は間違えても受かる試験です。そして得点源は、暗記でしっかり積み上げられる宅建業法20問。ここで満点近くを確保できれば、権利関係は14問中8〜10問取れれば十分に合格ラインへ届きます。
逆に言えば、難問・奇問の数問は最初から捨ててよいということ。とくに、毎年数問出る「誰も解けないような難解な民法の判例問題」を追いかけるのは、コストに合いません。解ける問題を確実に拾い、難問は潔く飛ばす。この割り切りが、権利関係を軽くしてくれます。
筆者自身も受験生のころ、最初は民法の難しい論点に時間を取られすぎていました。「業法と特別法を固めて、民法は基本論点だけ」と方針を変えてから、ぐっと安定したのを覚えています。
②得点源になる「特別法」を優先する
権利関係を効率よく攻略するカギは、範囲が狭くて得点しやすい「特別法」から固めることです。民法より先に、こちらを得点源にしましょう。
具体的には、次の3つです。
- 借地借家法(例年2問前後)…アパートや土地の貸し借りのルール。出題パターンが決まっていて、対策の効果が出やすい分野です。
- 区分所有法(例年1問)…マンションのルール。集会の決議要件など、覚えれば確実に取れる「暗記で取る1問」です。
- 不動産登記法(例年1問)…難しい年もありますが、基本的な仕組みを押さえれば手が出ます。
これらの特別法だけで、権利関係14問のうち4問前後をカバーできます。しかも内容が限定的なので、民法のように「際限なく広がる」ことがありません。費用対効果が高いのです。
そのうえで民法は、意思表示・代理・物権変動・相続など「毎年のように出る基本論点」だけに絞って繰り返します。ここまでで、無理なく8〜10点が見えてきます。
独学で「どこが頻出で、どこを捨てていいのか」の判断に迷うなら、出題範囲を整理してくれる講座を使うのも一つの手です。私自身、当時こうした優先順位を最初から教えてくれる教材があれば、もっと早く安定していたと思います。気になる方は宅建士講座・ゼロから始めて1年合格!(アガルート)
も覗いてみてください。
③過去問で「問われ方」に慣れる|知識より解き方
3つめのコツは、テキストの読み込みより、過去問(かこもん)を先に回すことです。
権利関係が苦手な人の多くは、「知識が足りないから解けない」と思い込んでいます。でも実際は、同じ知識でも“問われ方”に慣れていないだけというケースがとても多いのです。
宅建の権利関係は、事例(AさんがBさんに土地を売って…)を読ませて結論を選ばせる形式が中心。この読み解き方は、過去問を繰り返すことでしか身につきません。おすすめの進め方はこうです。
- 分野を1つに絞って、過去問を解く(例:今週は借地借家法だけ)。
- 間違えたら、その場でテキストの該当箇所だけ読む。最初から通読しない。
- 同じ問題を最低3回転。3回目で「なぜこの選択肢が×なのか」を言葉で説明できれば合格レベルです。
テキストを最初から最後まで読んでから問題に入るより、過去問→必要な所だけテキスト、の順番のほうが、苦手分野は圧倒的に早く伸びます。
独学派の人は、解説が詳しい過去問題集を1冊決めて、それを繰り返すのが王道です。私自身も「あれこれ手を広げず1冊を3周」で安定しました。同じ悩みを持つ方は、まずこちらの最新版テキスト・過去問もチェックしてみてください。
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まとめ|権利関係は「捨てる勇気」で攻略できる
権利関係が苦手でも、合格はまったくあきらめなくて大丈夫です。最後に3つのコツをおさらいします。
- ①「14問で満点」を捨てる…狙うのは8〜10点。難問は潔く飛ばす。
- ②特別法(借地借家・区分所有・登記)を優先…範囲が狭く、得点源にしやすい。
- ③過去問で「問われ方」に慣れる…知識より解き方。1分野→3回転。
権利関係は、全部やろうとせず“受かる分だけ取る”。この発想に切り替えるだけで、苦手だった14問が、ぐっと手が届く範囲になります。まずは今日、特別法の過去問を1問解くところから始めてみてください。あなたの合格を応援しています。
