模試を受けると30点前後。合格ラインは越えていないけれど、まったく届かないわけでもない。「あと3点、どこで取ればいいんだろう」——この時期にいちばん多い悩みです。
2026年(令和8年度)の宅建試験は10月18日(日)。本番まであと7週間ほどになりました。残り時間が限られてくると、全科目を平等に回す作戦はもう成立しません。
結論から言います。残り7週間で伸ばすなら、狙うのは宅建業法の20問です。私は宅建に4回落ちて、5回目でやっと合格しました。点が動き出したのは、宅建業法を「取れる科目」から「落とさない科目」に変えたときでした。この記事では、宅建業法で18点をねらうための3つのコツをお伝えします。
私が伸び悩んだのは「全科目を平等に」やっていたから
受験2回目までの私は、テキストを1ページ目から順番に読んでいました。権利関係から始まって、法令上の制限、税、そして宅建業法。素直といえば素直ですが、これには大きな落とし穴があります。
権利関係は民法が中心で、抵当権や相続、賃貸借と、覚えることが果てしなくあります。そこで時間を使い切ってしまい、宅建業法にたどり着くころには本番まで1か月を切っていた。しかも権利関係は、時間をかけたわりに模試の点が安定しません。
3回目の年に、模試の結果を科目別に並べてみて気づきました。権利関係は毎回6点から10点まで揺れているのに、宅建業法は勉強量にほぼ比例して上がっていく。同じ1時間を使うなら、返ってくる点数が読める科目に使うほうが確実だったのです。

まず全体像を確認|宅建業法は50問中20問
宅建試験は50問すべてが四肢択一で、試験時間は午後1時から3時までの2時間です(登録講習修了者は5問免除で45問・午後1時10分から3時まで)。科目ごとの出題数は、毎年ほぼ次のとおりに固定されています。
| 科目 | 出題数 | 問題番号 |
|---|---|---|
| 権利関係(民法など) | 14問 | 問1〜14 |
| 法令上の制限 | 8問 | 問15〜22 |
| 税・その他 | 3問 | 問23〜25 |
| 宅建業法 | 20問 | 問26〜45 |
| 免除科目(統計・土地建物など) | 5問 | 問46〜50 |
宅建業法だけで50問中の20問、全体の4割です。権利関係14問より6問も多い。それなのに、範囲は民法よりずっと狭く、聞かれ方もほぼ決まっています。
もうひとつ押さえておきたいのが、合格点は毎年動くということです。令和7年度(2025年)は33点・合格率18.7%でしたが、その前年の令和6年度は37点でした。1年で4点も基準が動く試験なので、「33点取れればいい」と決め打ちするのは危険です。だからこそ、点が読める科目を厚くしておく必要があります。

① 目標は「宅建業法18点」から逆算する
最初にやってほしいのは、目標点を科目ごとに割り振ることです。全体で37点を取る前提だと、私が現実的だと思う配分はこうなります。
| 科目 | 出題数 | 目標 |
|---|---|---|
| 宅建業法 | 20問 | 18点 |
| 権利関係 | 14問 | 8点 |
| 法令上の制限 | 8問 | 5点 |
| 税・その他 | 3問 | 2点 |
| 免除科目 | 5問 | 4点 |
| 合計 | 50問 | 37点 |
権利関係は14問中8点、つまり6問落としてもいい計算です。多くの方が「権利関係が苦手だから落ちる」と思っていますが、実際に合否を分けているのは宅建業法を14点や15点で終わらせてしまうことのほうです。
宅建業法で18点取れていれば、権利関係が半分しか取れなくても合格圏に届きます。逆に宅建業法が15点だと、権利関係で11点という難しい戦いを強いられます。2点の差は、宅建業法で埋めるほうが圧倒的にラクです。
模試を受けたら、点数そのものより科目別の内訳を必ず見てください。宅建業法が18点に届いていないなら、次の1週間でやることはもう決まっています。

② 覚えるのは「数字と期限」から
宅建業法が点になりやすい理由は、答えが条文の数字で決まるからです。権利関係のように「この場合はどちらの主張が通るか」を考える必要がなく、覚えていれば1秒で切れる肢がたくさんあります。
まずは次のような数字から固めてください。いずれも過去問で繰り返し問われているところです。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 専任媒介契約の有効期間 | 3か月を超えられない(超えて定めても3か月) |
| 専任媒介の業務報告/指定流通機構への登録 | 2週間に1回以上/7日以内 |
| 専属専任媒介の業務報告/登録 | 1週間に1回以上/5日以内 |
| クーリングオフ | 書面で告げられた日から起算して8日以内 |
| 手付の額の制限(自ら売主) | 代金の10分の2(20%)まで |
| 営業保証金 | 主たる事務所1,000万円+その他の事務所1か所につき500万円 |
| 弁済業務保証金分担金(保証協会) | 主たる事務所60万円+その他の事務所1か所につき30万円 |
| 専任の宅建士の設置 | 事務所は業務に従事する者5人に1人以上 |
コツは、似ている数字を必ずセットで覚えることです。専任媒介と専属専任媒介は「2週間と7日」「1週間と5日」を並べて覚える。営業保証金と分担金は「1,000万と500万」「60万と30万」を並べて覚える。単独で覚えた数字は、本番で必ず入れ替えて出題されます。
私は3回目の年に、この対比表をA4の紙1枚にまとめて、洗面所の壁に貼りました。歯を磨きながら毎日見るだけで、4回目の模試では宅建業法が17点まで上がりました。
③ 過去問は「肢ごとに○×」で回す
宅建業法で18点を取れない人に共通しているのが、過去問を「問題単位」で解いていることです。4つの肢のうち1つが明らかに違うと分かれば、残り3つは読み飛ばしても正解できてしまう。これが落とし穴になります。
本番では、同じ論点が別の肢の形で出てきます。読み飛ばした3つの肢こそが、来年の出題範囲なのです。
ですから、残りの期間は1問につき4つの肢すべてに○×をつけ、×の肢には「なぜ×か」を一言で書くやり方に変えてください。「期間が2週間ではなく1週間だから×」というレベルで構いません。これをやると1問あたりの時間は倍近くかかりますが、実質的に解いた肢の数は4倍になります。
そしてもう一つ。宅建業法の過去問は、年度別ではなく分野別で回すほうが効きます。免許、宅建士、営業保証金と保証協会、媒介契約、広告規制、35条書面、37条書面、8種制限、報酬計算、監督処分。この10ブロックを順番に潰していけば、20問のうちどこが穴なのかが見えるようになります。
独学でここまで管理するのがしんどい、という方もいると思います。私も4回目までは完全に独学でしたが、分野別の進捗を自分で管理するのは想像以上に大変でした。今は科目別に講義が分かれている通信講座もあるので、残り期間を宅建業法に集中させたい方には選択肢になります。無料で講座の中身を確認できるものもあるので、宅建士講座・ゼロから始めて1年合格!のような講座の科目別カリキュラムを一度のぞいてみると、自分に足りていないブロックがはっきりします。![]()
残り7週間、宅建業法にどう時間を割くか
具体的な配分の目安はこうです。平日に確保できる時間が1時間なら、そのうち40分を宅建業法、20分を法令上の制限や免除科目に。権利関係は土日にまとめてやる。これで宅建業法に週5時間近く投下できます。
「権利関係を捨てるのが怖い」と感じるかもしれませんが、捨てるわけではありません。順番を後ろにするだけです。宅建業法が安定して18点取れるようになってから権利関係に戻れば、そのときには気持ちにも余裕があります。
手元の問題集が分野別になっていない場合は、この時期だけ分野別の1冊を足すのも手です。書店で中身を見るのがいちばんですが、時間が取れない方は通販でも構いません。
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
まとめ|宅建業法20問は、いちばん裏切らない科目
今日お伝えした3つを、もう一度まとめます。
- ① 目標は「宅建業法18点」から逆算する|権利関係は8点でいい。合否を分けているのは宅建業法の2点
- ② 覚えるのは「数字と期限」から|似ている数字は必ず対比表でセットにする
- ③ 過去問は「肢ごとに○×」で回す|年度別ではなく分野別。10ブロックを順に潰す
宅建業法は、やった分だけ確実に返ってくる科目です。私が5回目で合格したときも、最後の1か月でいちばん時間を使ったのがここでした。
本番まであと7週間。全部を上げようとせず、いちばん裏切らない20問から固めていきましょう。
なお、合格発表は令和8年11月25日(水)9時30分です。その日に自分の受験番号を見つけるところまで、一緒に走りましょう。
