2026年(令和8年度)の宅建試験は10月18日(日)。9月12日から数えると、残りは36日です。
この時期になると、平日の夜も休みの日も勉強に使いたくなります。でも家には家族がいます。私が4回落ちていた頃、いちばん下手だったのが、じつは勉強法ではなく「家族に勉強時間をもらう伝え方」でした。
リビングのテレビの音が気になって、黙ってイライラする。夜中にこっそり机に向かって、翌朝ぼんやりしている。妻に悪いと思いながら、何も説明していない——。そんな1年を4回くり返しました。
5回目に合格した年、私が最初に変えたのは参考書ではなく、家族への頼み方です。この記事では、当時の失敗と、実際にうまくいった3つの伝え方を体験談としてお話しします。
勉強時間は「作る」ものではなく、家族から「もらう」もの
宅建の勉強時間は、一般に300〜400時間が目安と言われます。働きながらだと、平日の夜と休日を何か月も使うことになります。
この時間は、どこかから湧いてくるわけではありません。その時間、本来なら家族と過ごしていたはずの時間を、こちらに回してもらっているということです。
落ち続けていた頃の私は、ここを完全に勘違いしていました。「自分が努力しているだけ」だと思っていたのです。だから説明もしませんでした。黙って早起きし、黙って夜更かしし、うまくいかない日は勝手に不機嫌になる。今思えば、家族からすると理由の分からない不機嫌な人が家にいるだけだったと思います。
宅建は50問中35点前後で合格ラインに届く試験で、合格率はおおむね15〜18%です。才能の試験ではありません。でも「続けられる環境かどうか」は、点数にそのまま効いてきます。そして家で勉強する人にとって、環境をつくる相手は家族です。

私が4回落ちた頃、家族への伝え方でやっていた3つの失敗
失敗①|「いつまで」を言わなかった
私が言っていたのは「しばらく勉強するから」だけでした。しばらく、がいつ終わるのか、自分でも説明していなかったのです。
家族からすれば、終わりの見えない我慢を頼まれているのと同じです。1か月なら協力できることでも、「いつまでか分からない」と言われた瞬間に、応援しづらくなります。
失敗②|自分の負担だけ減らしていた
「勉強があるから」を理由に、皿洗いをやめ、買い物に行かなくなり、子どもの相手も減らしました。そのぶん妻の仕事が増えていました。
でも私の生活を見ると、スマホを見ている時間とテレビを見ている時間は、まったく減っていなかったのです。削ったのは家事で、自分の娯楽ではない。これでは協力してもらえるはずがありません。
失敗③|「受かった後」の話を一度もしていなかった
これがいちばん大きかったと思います。私は「宅建を取る」としか言っていませんでした。家族にとって、それが何のためなのかを一度も話していなかったのです。
資格そのものは家族の暮らしを直接よくしません。その資格で何をするつもりなのか——転職なのか、独立なのか、収入なのか、休みの取り方なのか。そこがないと、家族は「よく分からない試験のために、自分の時間が減っている」としか感じられません。

5回目の年に変えた、3つの伝え方
伝え方①|期限を「日付と数字」で伝える
5回目の年、私が最初に言ったのはこれでした。「試験は10月18日の日曜日。その日までの土曜の午前中、8時から12時だけ勉強の時間をもらえないか」。
ポイントは2つあります。ひとつは終わる日がはっきりしていること。もうひとつは「毎日ずっと」ではなく、曜日と時間帯を絞ったことです。
「できるだけ勉強したい」と言うと、家族は最大値を想像します。「土曜の朝8時から12時まで」と言えば、想像する必要がありません。そして決めた枠の外では勉強しないと約束できます。これは自分にも効きました。枠が決まっていると、その4時間の密度が上がるからです。
伝え方②|先に「自分の時間」を差し出す
次にやったのは、頼む前に自分が何を減らすかを言うことでした。私の場合は、夜のテレビと、休日の付き合いの飲み会です。
「土曜の午前をもらう代わりに、夜のテレビはやめる。飲み会も試験まで行かない」。この順番で話すと、家族の受け取り方がはっきり変わりました。こちらが先に手放しているから、お願いが「わがまま」ではなく「やりくり」になるのだと思います。
そして家事の分担は減らしませんでした。皿洗いも買い物も続けます。時間は取られますが、そのぶん家の空気が荒れません。落ちていた4年間で学んだのは、家の空気が悪い日は、結局勉強も進まないということでした。
伝え方③|「受かった後の暮らし」を一緒に話す
3つ目は、合格後の話を家族と共有したことです。私は「宅建を取ったら、不動産の仕事に移りたい。そうすれば土日の過ごし方も、収入の見通しも変わるかもしれない」と、はじめて具体的に話しました。
大事なのは、合格が「自分の目標」から「家族の計画」に変わることです。そうなると、応援の質が変わります。試験前の土曜に子どもを連れ出してくれたり、「今日は何点だった?」と聞いてくれたりするようになりました。
ここで注意したのは、大きな約束をしないことです。「受かったら年収が上がる」とは言いませんでした。落ちたときにも、受かったあと思い通りにならなかったときにも、家族を裏切ることになるからです。「こういう方向に行きたい」までで十分でした。
もし「受かった後」をまだ具体的に描けていないなら、先に求人を眺めてみるのも手です。私自身、どんな職種があって、どんな働き方になるのかを知らないまま4年間勉強していました。当時これを知っていたら、家族にもっと早く説明できたと思います。
宅建Jobエージェントのような不動産専門の求人サービスは、登録しなくても掲載されている職種や条件を見るだけで参考になります。家族に見せながら話すと、話が早く進みました。![]()

それでも言いにくい人へ|私が使った小さな工夫
「そもそも切り出しにくい」という方もいると思います。私も4年間そうでした。うまくいった小さな工夫を3つだけ書いておきます。
- お願いではなく「相談」の形にする:「こうさせてほしい」ではなく「どの時間帯ならいちばん迷惑がかからない?」と聞く。決めてもらうと、家族も当事者になります。
- 紙かカレンダーに書いて見えるようにする:口約束だけだと、お互い記憶がずれます。壁のカレンダーに「土AM=勉強」と書いておくだけで、確認の会話が要らなくなりました。
- 週に1回、進み具合を1分だけ報告する:「今週は過去問を2年分やった」程度で十分です。預けてもらった時間が何に使われたかが見えると、次も預けてもらえます。
逆に、職場や友人には言わなくてかまわないと思っています。家族は生活が直接ぶつかる相手なので伝える必要がありますが、それ以外の人にまで宣言する必要はありません。
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まとめ|勉強時間をもらうのも、合格までの実力のうち
最後に3つだけ、もう一度まとめます。
- 期限は日付と時間帯で伝える——「しばらく」は、家族にとっていちばん困る言葉です
- 先に自分の時間を手放す——家事を減らすのではなく、娯楽を減らす
- 受かった後の暮らしを一緒に話す——ただし大きな約束はしない
私は4回、この3つをやらないまま落ちました。5回目にやってみて思ったのは、机に向かう前の段階で、勝負はけっこう決まっているということです。
試験まで36日。今日の夜、テレビを消して「ちょっと相談があるんだけど」と切り出すだけで、来週からの土曜が変わるかもしれません。応援しています。
