賃貸不動産の管理において、「建物や設備の維持管理」は入居者の安全と快適な暮らしを守るための基礎です。
老朽化や設備不良を放置すれば、事故やトラブルにつながるだけでなく、オーナーの資産価値にも影響を与えます。
また、賃貸不動産経営管理士試験でも頻出分野であり、法令・点検項目・管理手順などがよく問われます。
今回は、試験にも実務にも役立つ「維持管理と点検のポイント」を整理していきましょう。
建物・設備の維持管理とは?
「維持管理」とは、建物や設備の安全性・機能性・快適性を保つために行う定期的な点検や修繕、清掃などの業務を指します。
大きく分けると、以下の3つの視点で考えると整理しやすいです👇
- ① 安全性の確保(事故防止・法令遵守)
- ② 機能の維持(設備が正常に動作するよう保つ)
- ③ 美観・快適性の維持(入居者満足度の向上)
これらをバランスよく実施することで、建物の資産価値を長く保ち、トラブルの未然防止にもつながります。
定期点検の主なポイント(建物・設備別)
維持管理の中で特に重要なのが「定期点検」です。
以下のような建物・設備ごとの点検内容を理解しておきましょう。
建物本体
- 外壁・屋根・防水のひび割れや劣化
- 共用廊下や階段の安全確認
- 雨樋・排水溝の詰まりチェック
👉 これらは劣化の早期発見がポイント。特に外壁の剥離や漏水は重大事故につながる恐れがあります。
電気設備
- 共用部照明・分電盤の動作確認
- 漏電ブレーカーの作動試験
- 非常灯・誘導灯の点検
👉 電気設備の点検は「電気設備技術基準」や「消防法」に基づき、定期的に専門業者による点検が必要です。
給排水設備
- 給水ポンプ・貯水槽の清掃と点検
- 排水管の詰まり・漏水確認
- 水質検査の実施(年1回以上)
👉 給水設備は入居者の生活に直結するため、衛生管理が最重要です。
消防設備
- 消火器・火災報知器・避難器具の作動確認
- 防火扉・誘導灯の機能チェック
- 消防設備士による法定点検(6ヶ月・1年ごと)
👉 消防法に基づき、点検結果は消防署へ報告する義務があります。試験でもよく出るポイントです。
エレベーター設備
- 動作確認・異音や振動の有無
- 非常停止ボタン・インターホンの動作
- 年1回以上の「定期検査報告」
👉 エレベーターは「建築基準法第12条」により、定期検査報告義務があります。
修繕・改修と記録管理の考え方
建物や設備は、時間の経過とともに確実に劣化していきます。
そのため、点検で発見した不具合は、修繕・改修計画に基づいて対応することが大切です。
- 小規模修繕:応急処置、部品交換など
- 中規模修繕:外壁補修、給排水管の交換など
- 大規模修繕:屋上防水・外壁全面補修 など
また、点検・修繕の履歴は「管理記録」として必ず残しましょう。
記録があることで、次回点検の効率化や、オーナー報告・保険対応の根拠資料にもなります。
試験で問われやすいキーワードと出題傾向
賃貸不動産経営管理士試験では、以下の内容がよく出題されます👇
- 建築基準法第12条:定期調査・検査報告制度
- 消防法:防火対象物点検・報告義務
- 水道法:貯水槽の衛生管理と清掃義務
- 設備点検の周期・報告先
- 修繕と改修の違い
試験では、単に「何を点検するか」だけでなく、誰が・いつ・どの法律に基づいて行うかが問われやすいです。
実務にも役立つ管理の心構え
設備点検や維持管理は「目に見えにくい仕事」ですが、
入居者の安全・オーナーの信頼を守るための縁の下の力持ちです。
- 点検結果は必ず「記録」として残す
- 小さな異常も見逃さず、早期対応を心がける
- 業者任せにせず、現場を理解して管理の質を高める
こうした日々の積み重ねが、長期的に信頼される管理業務につながります。
まとめ
建物や設備の維持管理は、
「安全・快適・資産価値の維持」という3つの柱を支える重要な業務です。
試験対策では、法定点検の内容と根拠法令を正確に覚えることがポイント。
実務では、記録と報告の徹底がトラブル防止につながります。
次回予告
次回は「原状回復と敷金精算の考え方」について解説します。
退去時のトラブルを防ぐための実務対応と、試験で問われる判断基準を整理していきます!
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