「親が亡くなって、空き家になった実家がそのままになっている」
「兄弟との話し合いも進まず、毎年の固定資産税だけが届く」
こんなお悩みを、最近ブログ読者の方からよくいただきます。
結論からお伝えします。
実家を相続した時にやるべきことは、「決断」ではなく、まず「整理」です。
本記事では、宅建士の視点から、相続した実家をどうするか――売る・貸す・住むの3つの判断軸と、損をしないための具体的な3ステップをご紹介します。
①実家の相続でつまずく3つの壁
相続した実家でお悩みの方の話を聞くと、決まって出てくるのが、次の3つの壁です。
壁1:兄弟との温度差で話が進まない
「兄は売りたい、妹は残したい」――こんな温度差があると、話し合いは平行線になりがちです。
特に、長男・長女・末っ子で実家への思い入れが違うため、感情論と現実論がぶつかります。
壁2:査定を1社だけ取って判断してしまう
近所の不動産会社1社だけに査定を依頼し、「思ったより安かったから売らない」と決めてしまうケースです。
実は、不動産の査定価格は会社によって数百万円違うこともめずらしくありません。
壁3:「思い出があるから」で先延ばし
気持ちは痛いほど分かります。しかし、放置している間にも、固定資産税・都市計画税・火災保険料・草刈り費用は毎年発生します。
特定空家に指定されると、固定資産税の優遇(住宅用地特例)が外れて、税額が最大6倍になる可能性も。
②売る・貸す・住む 3つの判断軸
実家の活用方法は、大きく分けると3つです。それぞれのメリット・デメリットを宅建士目線で整理しました。
軸1:売る
メリット
・現金化できて兄弟で分けやすい
・固定資産税や管理の負担から解放される
・相続開始から3年10ヶ月以内なら「取得費加算の特例」で譲渡所得税が軽減
デメリット
・思い出の家を手放す心理的な負担
・売却時期によっては相場より安く売る可能性
・仲介手数料・登記費用・解体費用などの諸経費
軸2:貸す
メリット
・毎月家賃収入が入る
・所有権は残るので、将来住む選択肢も残る
・空き家のままより建物が傷みにくい
デメリット
・リフォーム費用が数百万円かかることが多い
・入居者トラブルや空室リスク
・確定申告など事務作業が増える
軸3:住む(自分や家族が)
メリット
・住宅費が大きく下がる
・実家の維持と活用を両立できる
・思い出の場所を残せる
デメリット
・通勤・通学事情と合わないことが多い
・古い家はリフォーム費用が必要
・他の相続人との合意形成が必要
③損しないための3ステップ
では、具体的にどう進めればよいのか。私自身、不動産業界に身を置く者として、ご相談いただいた方にお伝えしている3ステップをご紹介します。
ステップ1:実家の現状を「数字で」把握する
感情論で話す前に、まず数字を揃えましょう。
最低限、次の情報を集めます。
- 築年数・構造(木造/鉄骨/RC)
- 土地の面積と路線価(国税庁HPで無料確認)
- 毎年の固定資産税・都市計画税
- 登記簿(法務局で1通500円)
- 建物の劣化状況(雨漏り・シロアリ等)
この情報があると、兄弟との話し合いも「感情」から「事実」ベースに変わります。
ステップ2:3つの軸を兄弟全員で評価する
上記の「売る・貸す・住む」の3軸を、紙に書き出して、それぞれのメリット・デメリットを兄弟全員で点数化します。
大事なのは、「思い出」と「お金」を別の列で評価すること。
混ぜて議論すると、必ず空中戦になります。
ステップ3:複数の不動産会社で査定を取る
「売る」「貸す」を選ぶ場合、必ず3社以上で査定を取りましょう。
1社だけだと、相場感がつかめません。
私自身、当時これを知っていたらもっと早く動けていました。
無料で使える一括査定サービスなら、複数社の意見が一度に集まるので、今日の一歩としてまず情報収集から始めるのがおすすめです。
④まとめ|まずは情報から、一歩ずつ
実家の相続は、誰もが一度はぶつかる悩みです。
焦って決断する必要はありません。ただ、情報を整理しないまま放置するのが一番もったいないのです。
本日の3ステップを、もう一度おさらいします。
- 実家の現状を数字で把握する
- 売る・貸す・住むの3軸を兄弟全員で評価
- 複数社で査定を取り、相場感を持つ
「動く前に、知る」。
これが、後悔しない相続不動産の進め方だと、私は思っています。
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
今日の一歩が、5年後の家族を救います。
あなたの実家にも、きっと最良の道があります。
